24時の鐘と俺様オオカミ
 冷たい声で言ってみたけれど、彼には、


「別に? 用がないと話しかけちゃいけないわけ?」


 効きません。
 現に今も、楽しそうに目を細めています。


『オオカミに話しかけられても、知らん顔をしているのですよ』


 そう、彼はオオカミ。
 知らん顔をしておきましょう。


「……」


 言葉は返さず、ぷいと顔を背けた。
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