24時の鐘と俺様オオカミ
「――っ!?」
「口、開けろ」


 大路君の指が無理やり私の口を開かせて……深く、深く、呼吸が混ざる。


「んんっ、んっ!」


 不意に、口内へ侵入してきた異物。
 途端に広がる、甘い香り。

 ころり。
 丸いものが、舌の上で踊った。


(飴玉……?)


 染みてくるのは、苺の甘さ。
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