24時の鐘と俺様オオカミ
 唖然とする私を見て、大路君は口を三日月形に歪めた。

 にやり。そんな効果音がよく似合う。


「なに? もっとしてほしかった?」
「なっ……!」


 よく考えてみると、私は……大路君と、


(き、きき、キスを……してしまいした……!)


 一気に火照る顔。
 恥ずかしくて、いつもの無表情が崩れた。

 瞬間、光に透けたクリーム色を揺らし彼はくつくつと笑う。


「その、照れた顔。すっげー可愛いと思ったから」
(かかか、可愛い……!?)
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