24時の鐘と俺様オオカミ
 やっぱり、大路君は何を考えているのかわかりません。

 きっとからかわれているだけなのに、高鳴る鼓動が治まらない。


「もっと、色んな表情が見たいなーと思って。それだけ」
「……っ、」
「じゃ、また明日な」


 何事もなかったかのように、私の頭を一度撫でて去る背中。

 残されたのは、甘さだけ。


(どういう、つもりなんですか……オオカミさん)


 あの時、答えてしまったから……オオカミに、食べられた。
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