24時の鐘と俺様オオカミ
Story5.真夜中の鐘はタイムリミット
 オオカミこと、彼――大路一樹君は……たいへんモテます。
 いえ、“一部の女子生徒に人気がある”と言った方がいいのでしょうか?

 とにかく、モテます。 仮にも“おおじ様”ですから。
 ファンクラブは……ないけれど。

 今日も今日とて。
 お昼休み、大路君はクラスメートの女子3人に囲まれている。
 隣の席できゃっきゃうふふが繰り広げられているため、嫌でも会話が耳に入ります。


「ねえねえ一樹くん、お弁当一緒に食べようよ」
「あーんってしてー!」


 愛くるしく、ちょこりと首を傾げるクラスメートの雅さん。
 と、大路君の腕に抱きつく桐谷さん。

 どちらも、とても女の子らしくて可愛いです。……羨ましい。
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