24時の鐘と俺様オオカミ
紙に染みたインクのごとく、じわりと広がる考え。
それを振り払うように、ぶんぶんと首を振る。
「ねえ、一樹くんは好きな人とかいるの?」
不意に、蓮見さんはそんな言葉をこぼした。
きっと、彼女にとっては何でもないこと。けれど私は、心臓が跳ね上がる。
ほろり。
スパゲッティが、フォークをすり抜け落下する。
「ああ、いるよ」
大路君も、あわてふためく様子はなく、心なしか弾む声でそう答えた。
それを振り払うように、ぶんぶんと首を振る。
「ねえ、一樹くんは好きな人とかいるの?」
不意に、蓮見さんはそんな言葉をこぼした。
きっと、彼女にとっては何でもないこと。けれど私は、心臓が跳ね上がる。
ほろり。
スパゲッティが、フォークをすり抜け落下する。
「ああ、いるよ」
大路君も、あわてふためく様子はなく、心なしか弾む声でそう答えた。