24時の鐘と俺様オオカミ
「えー? どんな子ー?」
「そうだなー、まず……」


 気分が悪くなるほど心臓は嫌な音を立てて、“聞きたくない”……そんな思いが、心を支配する。


「性格は……すっげー、」
(いや。聞きたくない)


 大路君が言いきる前に立ち上がり、机にお弁当を広げたまま教室を飛び出した。


(なんで)


 どうして、こんなに怖いのだろう。

 大路君の好きな人が――……もし、私じゃなかったら。
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