24時の鐘と俺様オオカミ
 大路君を後ろにくっつけたまま廊下を駆け抜け、階段を上がる。

 その途中、


「――っ!」


 片方の上履きが脱げ、一段下に着地した。

 取りに戻りたかったけれど、


「オイ! 待てって!」


 オオカミが、追ってくるから。

 そのままそれにお別れを告げ、屋上へ続く扉に飛び込んだ。


「はぁっ、はぁっ……」
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