24時の鐘と俺様オオカミ
 絶え絶えに肩で息をしながら、コンクリートに座り込む。

 そんな私の後に続き、大路君も扉をくぐってやって来た。


「てめっ……逃げんなよ……!」
「大路君がっ……追いかけて、来たからっ……!」


 クリーム色の髪を揺らして呼吸を整える彼に、首だけで振り返って目をやる。

 その手には、先ほど私が落とした上履きがあって。


「先にお前が俺から逃げたんだろうが」


 眉をひそめ、やや不機嫌そうな声を出す。
< 43 / 82 >

この作品をシェア

pagetop