24時の鐘と俺様オオカミ

 ***



 キーンコーンカーンコーン……と鳴り響く鐘の音が私の意識を夢の世界から引きずり戻す。

 まだわずかに重いまぶたをこすりつつ、


(どれくらい経ったのでしょうか……)


 のっそりと体を起こし、腕時計に目線を移した。
 短針と長針は、仲良く12を指している。


(そんなに眠ってしまっていたのですね……)


 不意に、ガラリと保健室の扉が開く。
 いつの間にかベッドの周りはカーテンで仕切られていたため、誰が入って来たのか視覚から情報を得ることはできません。


(御堂先生、でしょうか……)
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