24時の鐘と俺様オオカミ
 耳をすませていると、聞こえたのは――……ガチャン。

 扉が、施錠される音。


(御堂先生……じゃ、ありませんね……)


 先生なら、室内にいるのにわざわざ鍵を閉めたりしません。

 ……ふと、嫌な予感が心臓を刺激した。


(……いえ、まさか、)


 足音が近づいてきて、シャッとカーテンがめくられる。

 そこに立っていたのは、


「みーつけた」


 ニヤリと妖しく口角を持ち上げる、大路君で……嫌な予感的中です。
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