24時の鐘と俺様オオカミ
「……っ!!」
「逃げんな」


 彼の立っている反対側から逃げ出そうと体をひねった時、手首を捕まえられてそのままベッドに押し倒された。


「は、離してくださっ、」
「誰が離すかよ」


 顔の両側で縫い付けられた手の拘束は、あがいてみても全く緩まない。

 それどころか、大路君は上履きを脱いでベッドへ上がり、馬乗りになってきた。


「もう、逃がさねぇよ」


 どことなく怒りの色が滲む声。

 クリーム色の髪の毛が、光を透かしてきらきら光る。
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