24時の鐘と俺様オオカミ
「白雪」
「……なん、ですか」
「昨日のアレ、なに?」


 どきり。
 心臓が跳ねるのを確認。

 ふいと目をそらせば、


「何で泣いたの?」


 真剣な声が“こっちを向け”と誘うようで。


「……それは、」


 空中をたどり、大路君の喉元を目線で刺した。


「大路君が、好きでもないのに……からかって、キスを……してくるからです」
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