夜空の中に輝く君を見つける
「僕を何で教室に戻したんだよ…。」

「お前に聞きたいことがあるんやって!昨日唯に聞いたんやで?」

「お前、音瀬に告白されたんやろ!意外やわー…。あのクラスの中心的人物、音瀬がお前のこと好きなんやってなー…。しかも振ったんやろ?もっと意外やわー…。」

クラスの目が気になってしょうがなかったがここから抜け出せそうにない。

「それって僕のことを貶しているの?」

「孝志はなんで湊を振ったのかって言いたいんだよ!」

唯も興味深々な様子でこちらに目を向ける。

「なんでか…?相手のことをよく知らないから。音瀬さんも僕のことをよく知らないだろう。」

「えぇ、もったいない!湊あんなに可愛いのに…。」

「ほら、うちの唯がそういうんやったら間違いないやろ。」

孝志に唯の自慢を延々と聞かされている間、唯は嬉しそうな困ったような笑顔で僕たちを見ていた。

聞いているともうすぐホームルームが始まる時間になり、孝志と唯はバイバイと言って自分の席にもどった。

「えー、はいおはよう。今日は夏休み後の文化祭の大まかなことを決めたいと思う。はい、文化祭委員会の人ら、まとめてくれ。」

先生はそう言って席で作業をし始めた。

「はい、では文化祭について決めたいと思います。みなさん何がしたいですか?」

裏方でいごとができる作業なら正直なんでもいい。できるだけ目立たない仕事がやりたい。

「劇とかどう?」

クラスの女子がみんなに問う。

「いいね!」
「楽しそうじゃん!」
「なんの劇にする?」

とクラスのみんなは賛同の意見ばかりだった。

僕も裏方の仕事にまわることができたらまぁ劇でもいいかな。

「じゃぁ文化祭は劇にしますね。何の劇がいいかまで決めますね!役などはまた後日決めます!」

「シンデレラ!」

「白雪姫!」

「人魚姫!!」

と、みんな童話が多かったが唯が少し大きめの声で、

「なにかの曲を読み取って短い小説みたいにして劇にするのは?」

みんながその意見に賛同して、めんどくさそうだがそういうのは得意だし、読み取って原稿にする係がしたいと思っていた。

「じゃぁみなさんそれでいいですかー?いいですねー。」

文化祭委員もそれが楽しそうだとかやってみたいとかで決めたかったんだろう。

小道具係とかがいいなぁ。
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