夜空の中に輝く君を見つける
次の日。

珍しく彼女が僕よりも早く来ていた。

そして、僕を見るなりぱっと表情を笑顔にして、近寄ってきた。

「奏人くんおはよ!!あのね!好き!付き合ってー!」

酔っているのか疑うほど顔を真っ赤にさせて満面の笑みで言う。

何でこんな男が好きで振られても懲りないのか…。

ほら。また視線が僕に集まるだろう。本当にやめてほしい。

僕は彼女の質問…?に何も答えず、無言で席を立ち去った。

だけど今日はついていないみたいだ。

僕が教室から出ようとすると、僕の唯一の友達、多田 孝志(ただ こうし)とその彼女、大宮 唯(おおみや ゆい)が入ってきた。

「お、奏人!おはよー!」

「奏人おはよう!」

ゆいと孝志は僕に挨拶をし、孝志は僕の肩を組み、教室まで引きずり戻した。
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