秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
結果的に、辰己家は名誉ある案件とやらを兄に頼んでくれたらしく、兄は「いい仕事が入ったんだ!」と喜んでいた。
臨海地区に美術館を建築するのだと楽しそうに語る兄の姿を見て、これでよかったのだと納得できた。
だが、晴馬に関してだけは、申し訳なさがずっと拭えずにいた。
「晴馬のことは……隠れて産み育てるしかなかったの」
父親のいない寂しい子どもにしてしまった。なんとか私が守ってあげなきゃと、毎日必死に生きてきた。
これからもそうしたいと思っている。たとえ涼晴がそばにいなくとも。
兄は「くそっ……!」と悪態をつき、しばらく涙を流し続けていた。
臨海地区に美術館を建築するのだと楽しそうに語る兄の姿を見て、これでよかったのだと納得できた。
だが、晴馬に関してだけは、申し訳なさがずっと拭えずにいた。
「晴馬のことは……隠れて産み育てるしかなかったの」
父親のいない寂しい子どもにしてしまった。なんとか私が守ってあげなきゃと、毎日必死に生きてきた。
これからもそうしたいと思っている。たとえ涼晴がそばにいなくとも。
兄は「くそっ……!」と悪態をつき、しばらく涙を流し続けていた。