秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「茜音……!」

余計に彼が切羽詰まった声をあげる。早くひとつになりたくてたまらないのだろう、私の体を抉るようにその身を動かす。

「ん……涼晴……気が早いよ……」

私だって二年ぶりなんだから、ちょっとは手加減してほしい。

「もっとゆっくり、優しくして」

そう訴えると、彼は自分を落ち着かせるように深く息をついた。

「……わかってるよ、茜音」

わずかにペースを取り戻した彼が、私を弄ぼうとする。指先で体のラインを一ミリ一ミリ辿っていき、その場所の感度を確かめていく。

なぞられるだけでぞくぞくした。まるでこの身が花開いていくようだ。

「あ……りょう、せい……」

「ゆっくりが、いいんだろう?」

「でも、それは……ちょっと、や……」

甘く煽られ、今度は私が昂る番。たまらず彼の体にすがりついた。

「茜音、気が早いよ」

愉悦に浸り笑みを浮かべ、虐めるように優しくゆっくりと、時間をかけて私の体を撫で溶かす。

『ゆっくり』という自分の言葉に後悔していた。もっと早く深く彼がほしいのに、わざと焦らすようなことをして。

「……もう! いじわるっ……」
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