秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
なにもずるくはないでしょう? 誰だって好きな人に抱かれたらうれしいし、愛されたら応えたいと思う。

意中の男性に抱かれて啼いて――ごく自然なことをしているだけだ。

むくれて睨みつけると、彼は困ったように目元を緩め、唇で首筋を丁寧に愛撫した。

『そういうところ、すごく好きだよ』

そんな甘いことを言って、私のほしいものをくれる。どこまでいっても彼は優しく、私のワガママを包み込んでくれる。




――重ねた体の感触は、嫌というほど残っている。

けれど、もう二度と思い出してはいけない記憶。胸にしっかりと蓋をしめ、もう二度と開かぬようにと鍵をかけた。

なのに。

記憶は悪夢となって追いかけてきて、逃げようとすればするほど、鮮明になり蘇る。今宵も甘い情景が私の首を絞めつける。


愛おしい人。今でもあなたを愛している。



たとえあなたが私の前から姿を消そうとも、残してくれたこの命を大切に育てていこうと心に決めた。

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