秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
過去に一度足を痛めたことがあり、そのときは家から徒歩五分のところにある須皇総合病院で診察してもらったのだ。当時はそこで涼晴も働いていて、診察をお願いした。

さすがに今日帰国してきた涼晴が、明日から外来に出るなんてことはないと思うけれど、まだカルテが残っているだろうから、診察がスムーズに進むかもしれない。

少し面倒ではあるけれど、兄の言うことにも一理ある。

「わかったわ。明日、総合病院に行ってくる」

観念して答えると、兄は納得したように頷いた。

そんなとき、うしろからぺちっという音と、晴馬の楽しそうな笑い声が響いてきて、嫌な予感がした。

私と兄は顔を見合わせたあと、恐る恐る振り返る。案の定、晴馬はいたずら中で、ご飯を握ってテーブルに叩きつけているところだった。

「……晴馬…………」

兄が大きなため息をついて、テーブルの上のご飯をティッシュで掴み取る。

食事中は気を抜いちゃいけない。自分にしっかりと言い聞かせて、ご飯粒だらけの晴馬の手を布巾で拭った。


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