秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
第一章
息子の名前は
けたたましい泣き声で目が覚めた。
記憶という名の嫌な夢が頭の中をぐるぐると回っている。上半身を起き上がらせ、憂鬱を振り払うように頭を振った。
大丈夫、三秒後には、夢の内容も夢を見たことすらも綺麗さっぱり忘れていることだろう。
これから始まるせわしない現実を前にしたら、悠長に夢を振り返っている時間なんてないのだから。
「晴馬ぁ~……どうしたの? まだ夜中だよ……」
時計は見ていないけれど、周囲が真っ暗だから夜中であることは間違いない。
泣いている晴馬のお腹をトントンしてなだめるけれど、泣き声は激しくなっていくばかり。
トントン程度じゃあ泣き止んではくれないか……。
早々にあきらめた私は、体重十一キロになる晴馬を抱き上げ、ゆらゆらと揺らしてあやした。
時計を見れば三時。思わずため息が漏れる。
「怖い夢でも見たの? 大丈夫だよ、ママはここにいるから」
必死に話しかけてみるけれど、当の晴馬はぎゃぁぁぁんと大声で泣いていて、私の声なんかまるで聞いていない。
仕方なく、音の出る絵本を開き『犬のおまわりさん』の音楽を慣らしてみる。
記憶という名の嫌な夢が頭の中をぐるぐると回っている。上半身を起き上がらせ、憂鬱を振り払うように頭を振った。
大丈夫、三秒後には、夢の内容も夢を見たことすらも綺麗さっぱり忘れていることだろう。
これから始まるせわしない現実を前にしたら、悠長に夢を振り返っている時間なんてないのだから。
「晴馬ぁ~……どうしたの? まだ夜中だよ……」
時計は見ていないけれど、周囲が真っ暗だから夜中であることは間違いない。
泣いている晴馬のお腹をトントンしてなだめるけれど、泣き声は激しくなっていくばかり。
トントン程度じゃあ泣き止んではくれないか……。
早々にあきらめた私は、体重十一キロになる晴馬を抱き上げ、ゆらゆらと揺らしてあやした。
時計を見れば三時。思わずため息が漏れる。
「怖い夢でも見たの? 大丈夫だよ、ママはここにいるから」
必死に話しかけてみるけれど、当の晴馬はぎゃぁぁぁんと大声で泣いていて、私の声なんかまるで聞いていない。
仕方なく、音の出る絵本を開き『犬のおまわりさん』の音楽を慣らしてみる。