秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「……もしかしたら、お水、飲みに来るかもしれないし……」

「斗碧が来たら、土下座して謝ってやる」

いつまでも隠し通せることではない。今とは言わずとも、近いうちにこの関係を斗碧に打ち明けなければ。

だが今はこのまま――とずるずるとその時を先延ばしにしている。

指先を深く彼女の体に食い込ませると、膝の力が抜けたのか、彼女はその場にへたり込んだ。そのまま俺は警戒心が緩み切った彼女に追い縋る。

「涼晴ってば、もう……。こんな人だなんて思わなかった」

息を絶え絶えにしながら、怒ったようにぷいっと目を逸らす。

その様子がますますかわいらしくて、俺の欲情は止まらない。

「もっと紳士的な人間だと思っていた? 悪いな、こんなダメ男で」

俺も予想外だった。五つも年下の女の子に、しかも友人の妹に、こんなに性欲丸出しで襲いかかるなんて。

彼女は純粋で、優しくて、一途で、それでいて艶めかしく生意気で目が離せない。

俺が彼女の心を奪ったのだと思っていた。だが、気がつけば奪われていたのは俺の方で、主導権を握っているように見せかけて、本当は翻弄されているのだから情けないにもほどがある。

彼女はくったりと体の力を抜き、キッチンの床に寝そべる。俺は彼女の太ももを抱いて、その内側の白い肌にキスをして痕をつけた。

「……今日は、我慢しようと思ってたのに……」
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