秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
第三章

心の支え

日曜日の明け方、晴馬が激しく咳込んでいるのを耳にして目が覚めた。

……やっぱり風邪かしら?

怪訝に思い手を伸ばしてみれば、その背中はいつもよりもずいぶんと熱くなっていた。

晴馬の平熱は高い。だいたい36度9分くらいで、37度台でも0、1分程度なら誤差の範囲内だ。

しかし、37度3分あたりになると黄色信号。風邪の引き始めである可能性が高く、近日中に高熱を出すというサインである。

昨日そんな兆候が見られ、警戒はしていたのだけれど、早くも熱が上がってきたらしい。

ぐずり出してしまったので、私は起き上がり晴馬を抱っこした。

熱を測ってみると38度2分。やっぱりと落胆する。

脱水が心配なので、甘みのあるリンゴジュースを飲ませてあげることにする。

もう少し熱が上がってきたら、解熱剤をあげないと。日曜日一日なんとかもたせて、月曜日になったら病院へ連れていこう。

休日診療をしている病院もあるけれど、あまりいい思い出がない。

大抵ものすごく混んでいて、待合室で待たされている間に私も晴馬も体力が削られてしまうのだ。
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