秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「子ども用綿棒ってどこに売ってるんだ? 普通のじゃダメなのか? リンゴジュースは、パックのやつでいいのか? え、赤ちゃん用……?」

……なんだかダメそうだったので、私が買い出しに行くことになった。

晴馬と一緒にお留守番をすることになった兄は、晴馬をあやそうと、おもちゃ箱からぬいぐるみをわんさか出し始める。

晴馬はケホケホ咳をしているものの、遊ぶ元気はあるみたいだ、ぬいぐるみに飛びついた。

「なるべく早く帰ってくるから、晴馬のお世話お願いね」

「おう」

イマイチ頼りない兄を残して、私はそそくさと買い物に行く準備を始めた。パーカー、デニム、スニーカーというカジュアルな出で立ちで家を出る。

徒歩五分のところにあるスーパーだから、自転車はいらないだろう。正直、地下駐車場まで行ってわざわざ自転車を出すのが面倒だ。

急がなければと思いながらも、明け方から晴馬に付きっ切りだった私にとっては、いいリフレッシュになった。


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