秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
思わず漏れだす甘い吐息。もちろん、嫌なんかじゃない。こういうことをする関係を、なんと形容したらいいの?

「……俺は茜音を恋人だと思っているけれど、茜音にとって俺はセフレかなにかなの?」

うれしいことを言われたが、同時に腹立たしいことも言われ、慌てて否定する。

「私だって、恋人がいい……!」

「だったら、恋人に会うのに躊躇なんてするなよ」

それは、いつでも来ていいってこと?

彼の特別を与えてもらった気がして、じわじわとしあわせが込み上げてくる。

これから私は『涼晴の恋人』を名乗っていいんだ。

こんな素敵な男性をひとり占めできるなんて、誇らしくてたまらない。

「でも、お兄さんをあまり寂しがらせないようにな。そのうち、会いたくても会えなくなるんだから」

彼の忠告に、私は「どういうこと?」と首を捻る。

「どちらかが結婚したら、なかなか会えなくなるだろう?」

考えてもみなかったことを言われ、私はキョトンと目を丸くした。なんとなく、ずっとこのまま兄妹ふたりの生活は続いていくものだと思っていたから。

「お兄ちゃん、結婚するつもりあるのかしら?」
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