秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
頬を火照らせたまま彼のことをじっと見つめていたら、彼はからかうことに満足したようだ、いつもの優しい表情に戻った。

「……今度、外でデートでもしようか。いつも家の中ばかりだろう?」

初めて恋人らしいことを提案され、私は目をわっと見開く。

「行きたい!」

彼とデート。すごくうれしい!

彼の腕を掴み、ぴょんと体を跳ね上げて、今度は私からキスをする。彼は私のはしゃぎっぷりに驚いたようで、プッと吹き出した。

「どこに行きたいか、考えておいて」

涼晴は私をなだめて、テーブルの反対側に座る。ふたり手を合わせていただきますをした。

今日のディナーは最高においしい。未来のことを考えるだけで心が弾んだ。



二週間後の日曜日。私たちは初めてのデートをした。

場所は私のリクエストで、都内にある大きな動物園。……ちょっとチョイスが子どもっぽかっただろうか?

デートのコーデにさんざん頭を悩ませた私は、黒いニットにダークブルーのキャミワンピを合わせた。スカート部分にはプリーツがたくさん入っていて、てろんとした素材が少し大人っぽく見せてくれる。
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