そして、僕達は溺れた
「あれから戻ってこないでしかも
勝手に帰ってくるなんて、心配するじゃないか!何かあったんじゃないかって必死に探し回ったんだぞ」
私はあの出会いのあと、頭の中が
空になった気分になり近くでタクシーを拾い家に帰ってきていた。その事を今、お父さんはものすごい剣幕で怒っている。
「あれから、ちょっとあって。
タクシー拾えたから帰ってきちゃったの。連絡するのも忘れてて、ごめんなさい」
「ちょっと?ちょっとって何だ!
何かあったらすぐに言いなさいって
いつも言ってるだろ?何があったんだ?」
はあ。まただ。お父さんは過保護だ
何か事あるごとに、何かあったのか?
何かあったら何でも言いなさい
お父さんたちには何でも話しなさい!
私が何か様子が少しでも可笑しいと
こんな感じの言葉をよく言う。
まあ、仕方のないことかもしれない、
パパがあんな事になってしまって
ママも自ら命を経ってしまった
私が様子が可笑しかったら私まで、、
って考えるのは自然のことだと思う。
だけど私はもう小さな子供ではないし
10代と言えどもある程度大人でもある。毎回毎回、こんな様子じゃいくら家族でも流石に疲れる。
そんな事言えるわけもないし
言わないけれどこの先もし、私に
彼氏なんかできた時にはさっきの
剣幕の何百倍もの迫力で反対されるんだろうなー。
そんな事を考えたらまたため息が出る。
「本当、なんでもないから、
明日学校だからもう寝るね」
「ああ、明日から新学期だったな、
新しいクラスで何か言われたら
すぐに言いなさい」
「はい。...おやすみなさい」