そして、僕達は溺れた
「早くってママ...ここ警察署って書いてあるよ?パパがどうしてここにいるの?ねえパパどうしたの?」

状況がただ事じゃないと分かっていた。でも何がどう可笑しいかパパに何があったかまでは8歳の私には分からなかった。

タクシーを降りるとものすごい人に囲まれて数え切れないくらい眩しい光に囲まれてそこから色々な声や怒号のような大きな声が鳴り響いた

やめて。怖い。やめて
やめてやめてやめてやめて
やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて

「吉川さん、こっち」
全く聞き覚えのない知らないおとこの人の声がしてその人が警察署の中に入れてくれて私たちはいろんな声や怒鳴り声、眩しいフラッシュから恐怖から逃れることができた。でも何が起こってるかは分からないままだった。

「ママ....パパどうしたの?ここ、警察署だし外にいる人たち花恋達に怒ってたよね?パパ..........何かしたの?」
私の質問にママは泣くばかりで私も余計不安になって泣くことしかできなかった。

「涼花ちゃん、ちょっと」
暗い廊下の椅子で2人泣いてだ時さっきの
男の人がママを呼び出した
ママは今にも崩れ落ちそうな足取りでその男の人と一緒に部屋に入っていった。
ママの泣き叫ぶ声や怒りの声
ただただ悲しみに暮れた泣き声が
部屋から聞こえてきて私も自然に
涙が溢れ出した
1時間ぐらいしてママが部屋から出て来て私の顔を見た瞬間に崩れ落ちた。
「ママ!」
私はママを抱きしめたけどママは全身震えていて顔を見たらグチャグチャになるまで泣いていた。こんなママを私は見たことがなかったから私はどうしたらいいのか分からなくて一緒に泣くしかなかった。
そして後でママから聞いた言葉は
信じられない言葉だった。
「パパがね....パパが捕まったの」
言葉の意味は8歳なりに理解するも
何でどうして何でパパが
パパが何をしたの?パパが何をするって言うの?あんな優しい優しいパパが。。頭の中が真っ白になってママが色々言ってたけれど何を言ってるのか
もう分からなかった。

キャンプの途中8歳の田中優衣ちゃんが
行方不明になった。みんなで探した後
崖の下で倒れていたのを発見。
そのすぐ横にパパが立っていた。優衣ちゃんを襲う目的でパパが優衣ちゃんに近寄ったとこ抵抗されそこに暴行し崖から突き落とした
と言うものだった

嘘だ!!
そんな訳ない
あんなに優しいパパがそんな酷いこと
する訳がない
でも8歳の私には何もできない
ただただ泣いているママを
どんどん残酷なパパの捜査が続く現実に目を背けることしかできない
パパは何もしていない!する訳ない!
そんな言葉は届くわけがなかった
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