ひめは恋する不良くんたちに降参です。

出会い

私は、世界トップクラスの会社を誇る瀬名家の娘、瀬名莉緒ですっ。
とある理由で暴走族で有名な三和男子高校に来ています。
その理由というのが…
「莉緒、お前と同じ年の子たちだから頼みたいのだが、潜入よろしくたのむ。」
お父さんはとても偉い人だかはいろいろな仕事をやっているみたい。
その仕事の一つが三和男子高校に潜入らしい。
最近暴走族の噂が流れ、どんどん評判がガタ落ちらしく、改善するために潜入調査をする。
「暴走族で有名なんだよね…」
「評判が下がりつつあるからな。そのための潜入だ。ボディーガードとして部下に守ってもらうようにしてあるから大丈夫だろう。１年だけ頼む」
「はい…」
渋々その仕事を引き受けた。
私、女子だしっ。それに…　暴走族。こ、怖いよぉ
一応お嬢様だよね？私は。　
他にもたくさん仕事を引き受けてくれる人いると思うけど。
でも、色々お父さんにもあるんだよねっ。
怖くて無理そうだったら、お父さんにお願いすればいいし。
お父さんのためにも頑張ってみようっと。
「さすが、我が娘。様子をちゃんと伝えてくれよっ!校長には編入とうまく伝えておいたからな。潜入のこと誰にも言うんじゃないぞ。」
「はいっ、わかってる」

というわけなんですよ。
で、ボディーガードさんに送られて学校に着きましたぁっ。
えっ？学校ボロボロ…
みんなすごい髪型。ピアスいっぱいしてるし。
うっ…やっぱり怖いっ。
なんか視線が痛い。
「ねぇ、君編入生？」
突然後ろから声をかけられた。
えっ、ナンパっ？
「は、はいっ」
「おれ、黒崎十矢。よろしくね」
すごい優しい人。
ナンパなんて疑って悪かったなぁ。
「私は、せ、瀬名莉緒ですっ。こちらこそよろしくお願いしますっ!!」
「そんなに改まらなくていいよ。職員室に行くんでしょ?案内するよ。」
十矢って人、とーっても優しかった。
何年生だろう?聞いてみようかな…
「あ、あの…何年生？」
「ん？２年だよ!」
同じだっ、じゃあ　くん　で呼んでもいいのかな…
「私も２年生っ。十矢くんってよんでもいい？」
「もちろん。おれは莉緒ちゃんって呼ぶね!」
「うんっ」
「っ！…」
ん？どうしたんだろう。
笑っただけなのに。
変だったかな？
気にしない気にしないっ。
なんか嬉しいなぁ。
信頼できる人ができてよかった!!
いくら潜入だっていってもひとりじゃ心細いもんっ。
できるだけ楽しみたいなっ。
廊下を歩いていると、視線が集まる。
「うわ、かわいくね」
「声かけよーぜ」
十矢くんとは違ってチャラそうな人がたくさんいる。
少し歩くと、職員室　と書かれた教室が見えてきた。
「ここだよ。じゃあ待たっ」
「ありがとう。十矢くんっ」
なぜか顔を赤らめながら戻っていく十矢くん。
ノックをして扉を開ける。
『トントントン』
「し、失礼しますっ。せ、瀬名莉緒ですっ。どこの教室へ行けばよいのでしょうかっ!!」
緊張しすぎて声が震えちゃった。
「担任は、教室にいる。俺が案内する。ついて来い。」
そう言った人は制服を着ていた。
おそらくというか絶対生徒さんだ。
髪の毛がみんなと違って黒髪。しかも整った顔立ちをしている。
「は、はいっ。よろしくお願いしますっ」
しばらく沈黙が続いた。
なんかき、気まずいな。
「あ、あの…じ、自己紹介しましょうっ」
慌てて出てきた言葉が自己紹介をしようというものだった。
「わ、私は２年の瀬名莉緒ですっ」
「ぶはっ」
え？なんで笑っているの??
「な、なんで笑っているんですか?」
「ほんとお前は…じゃなくて莉緒は面白いな。まぁ、いいや。気にしないでくれ。俺は、３年の柊雷火だ。よろしくな」
「？　はいっ。雷火先輩っ」
「っ！…」
ん？先輩っ!!耳が赤いですよっ。
名前を呼ばれて嬉しかったのかなっ??
そんなわけないかっ。
「ここだ。２ーＳ　ん、じゃ　頑張れよっ」
先輩とも仲良くなれた。嬉しいなっ
「ありがとうございましたっ」
ペコッと頭を下げた。
よしっ。クラスのみんなに挨拶をしようっ。
『トントントン』
「し、失礼しますっ。瀬名莉緒ですっ、よろしくお願いしますっ」
「君か、これからよろしくな。担任の小川だ。みんな仲良くしてやってくれよ。」
一斉に拍手の音が響いた。
「ヒュー　ちょーかわいいんですけど」
「彼氏とかいるんすか」
「あはは　彼氏はいませんっ」
なんかクラスに下品な人もいるだなっ。
あと、可愛くないんですけど、お世辞かな…
「瀬名の席はあそこだ。」
私の席は窓側だった。
ん？
私の隣に見たことのある横顔があった。
やっぱりっ。輝だっ。
間宮輝は私の幼馴染だ。
輝の家もお金持ち。
お父さん同士が仕事でつながっているから小さい頃からずっと遊んでいた。
ここの高校だったんだぁ…
「輝っ!!久しぶり!覚えてる?」
「莉緒っ、ごめん、最初分かんなかった。」
「いいよっ!!よろしくねっ」
「おうっ」
すごいっ、　輝がいるなんてっ
「りーおちゃんっ。輝の友達?」
すると３人の男の子がやってきた。
その中には十矢くんもいた。
「私たち、幼馴染なの。」
「へぇ、輝ずりぃ。こんな可愛い子が近くにいるとは…」
ん？何言っるの？ついていけないっ
「俺、輝のダチの宮下向貴でーすっ」
「俺は、小野寺翔太。よろしくな」
「莉緒ちゃんっ、改めてよろしくっ」
「おい、十矢も知り合いかよっ、ずりぃなぁ」
あははっ、みんな仲良しだなぁ。
「向貴くんっ、翔太くんっ、十矢くんっ、輝っ、よろしくねっ！」
みんな顔を手で覆っている。
女の子が苦手とか？
「やべぇ、可愛すぎだろ」
「ん、だな。これはForceのものにしねぇとな」
「いや、elthaのものだし」
「多分、トップ争いで決まるな」
そんな会話は届くはずなかった。
すると、十矢くんが口を開く。
「あのさ、お兄さんいる？」
なんだろう？
「うん。いるよっ」
「もしかしてそのお兄さんの名前って瀬名竜也？」
えっ、なんで知ってるんだろう?
「そうだけど…なんで知ってるの?」
すると、驚いたように口を開く。
「やっぱりっ。おい、向貴っ、」
「えっ、ひめなのっ　すげぇっ」
何がすごいの？ひめ？
「どうしたのっ??そんなに有名なのっ？あと、ひめって何？」
気になったので聞いてみた。
過去に何があったかを知らずに。