偽りの夫婦〜狂愛〜
次の日、指輪のサイズ調整とピアスを買う為、朝からバタバタしていた。

「うーん。これで、いいかな…!」
紫龍が陽愛の着ていく服をコーディネートして、着せる。
「じゃあ、行こう?」
「うん…陽愛、楽しそう」
「楽しいよ?久しぶりに、紫龍とデートだし」
「そうだね。なかなか俺が仕事忙しくて、デートできなかったからね」

玄関まで行きドアを開ける前に一度、陽愛に目線を合わせ、
「いい…?
俺から…絶対…離れちゃ…ダメだからね…わかった…?」
「うん」
陽愛が催眠にかかったように、紫龍から目が離せなくなる。
「行こうか」
「うん」

そして二人、家を出た。

目的地まで、紫龍の運転で向かう。
運転中も紫龍は、手をけっして離さない。
「紫龍。運転中は危ないから、手…離そ?」
「嫌だよ!触れてないと不安になる」
更に握る力を強めた。

そしてジュエリーショップに着いた。
「いらっしゃいませ、神宮様」
ここは紫龍の管理するショップで、陽愛のアクセサリー全て、ここで購入し贈った物だ。

ショップ内も手は繋いだまま、
「連絡してたように、陽愛の指輪サイズ調整とピアスを
よろしく」
「はい、畏まりました」
先に陽愛の薬指のサイズを測り、一度指輪を預けた。
そしてピアスを見て回る。
「陽愛、どれがいい?」
「んー。迷うね…!」
紫龍が後ろから抱き締め、ぴったりくっついて見て回る。

「フフ…相変わらず、仲がよろしいですね!羨ましいです」
「あ…ごめんなさい……こんな人前で…」
「いえ…では、ごゆっくり!」
店員が去っていく。
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