偽りの夫婦〜狂愛〜
今までにない陽愛の甘えに紫龍は、言い様のない狂喜で震えていた。
紫龍に洗脳されてるとはいえ、なんとも言えない陽愛の愛情が浸透していくようだった。

ベットに下ろして、陽愛を抱き締めながら横になる。
「どうしたの?何があった?俺がすぐに解決してあげるよ!だから言って?」
頬を撫でながら、優しく語りかけるように言う。

「何もないよ……ちょっと仕事で嫌なことがあって。でも大丈夫━━━━」
「じゃないよな…!?どう見ても。
言って?何があったの?同僚からなんか言われた?それとも鳥羽って奴に何か言われたの?」
また紫龍の雰囲気が変わる。
黒く………
重く………

「……そんなん…じゃないよ」
「じゃあ…何?
陽愛…俺の目を見て…?
何があったの?言って……?」
紫龍の黒い目を見る、陽愛。
紫龍の目は、超能力でも使えるのだろうか?
もう、陽愛は、動けなくなり、何も考えられなくなる。

「紫龍の会社の秘書の方達が、ショップに来たの。
それで━━━━━━」

「そう…
たぶん奴等だな。
ごめんね…陽愛に辛い思いをさせたね……」
陽愛の頭を撫でる、紫龍。
「紫龍がカッコいいから、私のこと邪魔なんだと思う。
逆だったらって考えたら、嫉妬しちゃうのもわかるし。だから大丈夫だよ!」
フアッと微笑む、陽愛。

「陽愛は……優しいね…?
俺は…絶対……許さないけどな…」
紫龍の雰囲気に圧迫感のようなあり、陽愛は息ができなくなる。

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