偽りの夫婦〜狂愛〜
寝室に戻る途中━━━━
リビングの方から、スマホの着信音が聞こえた。
「あれ?ベットのサイドテーブルに置いてたはずなのに……」
とリビングに入り、スマホを取る。

画面を見ると、友達の櫻 美緒の名前が。
「はい、美緒?」
『陽愛~』
「おはよう」
『今度のイベントのことなんだけどさ━━━』
「キャッ……!」
「なにやってんの?陽愛」
突然、紫龍に後ろから抱き締められ、スマホを落とした。

「あ、電話が……」
「トイレ済んだら、すぐに戻ってきてって言ったよね…!?」
「ごめんなさい。着信音がしたから」

「三好」
「はい」
「あとは、連絡しといて?」
「はい、畏まりました」
そして、陽愛を抱き上げる。

「あ…スマホ…!」
「は?いる?スマホ」
「え?」
「スマホはね、俺と離れる時だけ必要なんだよ?今からは一緒にいるんだから、必要ないよね?」
と、言い聞かせるように言う紫龍。

寝室に連れていき、ベットに下ろした。
陽愛を抱き枕のように抱き締め、紫龍も横になった。
向かい合い、顔と顔がぴったりくっついている。

「三好が、上手く職場に話してくれるから大丈夫だよ」
「うん…でも、なんか…」
「ん?」
「紫龍と三好さんって凄いね……!阿吽の呼吸ってゆうか、お互いにすぐ何が言いたいかわかる」
「長いから…三好は俺が会社立ちあげてからだから、もう五年か…だからわかるんだよ?もともと察しはいいヤツだし」
「そう…私より、紫龍のこと知ってるって事だよね?」

「うん…ん?
………ってゆうか、それヤキモチ?」
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