偽りの夫婦〜狂愛〜

｢え…｣
｢約束できるなら、許可してあげてもいいよ？｣
｢ほんと…！？
する…！約束する！｣
｢いいよ｣
｢ありがとう！｣
そう言って、紫龍に抱きつく。
｢フフ…可愛いなぁ…｣
頭を撫でる、紫龍だった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そして、次の日。

｢いい？
約束は絶対だからね！
俺も今日はずっと仕事だけど、電話には出れるから、何かあったら、すぐ連絡してね。
あと、陽愛が終わったら迎えに行くから、どっちにしても連絡ちょうだい｣
｢うん、わかった！｣
陽愛の職場前で離れ、車に乗り込んだ紫龍。

乗り込みすぐに、
｢あ、三好？
あとは頼む｣
『はい』
紫龍が、完全に陽愛を信用するわけがない。
陽愛の性格だ。
押しが強い人間には断れず、紫龍との約束を破る結果になるかもしれない。
だから、三好に監視をさせたのだ。

仕事終了後、
｢じゃあ…行こ！｣
四人はフレンチレストランへ向かった。

｢綺麗なとこだね～｣
陽愛がうっとりして言う。
｢やっぱ、人気なだけあるよね？人…多い｣
｢確かに！予約して正解だったね！｣
｢さ、食べよ！｣

桐子｢でもさ、陽愛の旦那さん、素敵な人だね！｣
陽愛｢え？｣
桐子｢昨日イベント来てたでしょ？｣
陽愛｢うん｣
花実｢あんなイケメンいるんだね～。あ、旦那さんって店長と知り合いなの？｣
陽愛｢え？それは……｣
美緒｢ちょっと、花実！｣
花実｢あ、ごめん！覚えてないんだったね…ごめんね。陽愛｣

陽愛｢私こそ…ごめんね。
えーと、食べよ！このサーモン美味しいよ！｣
美緒｢だね！あ、それよりも、寧々なんで急に辞めたの？｣
桐子｢あー寧々、借金かなりあったらしいよ！｣
陽愛・美緒・花実｢え…？｣