偽りの夫婦〜狂愛〜
それから寝室へ、移動して愛し合う二人。

「フフ…俺の印がいっぱいあって、綺麗……陽愛」
「ん……あぁ…」
「今日も、もっと印…つけるね…!」

ひとつ、またひとつと……増えていく。
陽愛が紫龍のモノだと言う印。
“異常”な程に。

今日も何度も愛し合い、果てて…抱き締め合っている。
紫龍が陽愛の頭を撫でている。
「ん?陽愛、眠い?」
「ん。でも、もう少し…紫龍の…顔、見てたい……」
「でも、眠そう…」
「紫龍…手、繋ご?」
「うん、いいよ」
腕枕をしていない方の手で、陽愛の手を絡めるように繋ぐ。
「フフ…幸せ…!」
そう言うと、そのまま眠ってしまった陽愛だった。

「おやすみ…」
穏やかに微笑む、紫龍。
そこに紫龍のスマホが震える音がする。

左腕は陽愛を腕枕をしている為、手を繋いでる右手を離さなければならない。
どっちにしても陽愛に触れているのだから、いいのだろうが、せっかく陽愛と手を繋いでるのに、離したくない。
チッと、舌打ちして手を一度離した。

「なんだ?」
『紫龍様、申し訳ありません。親父がどうしても話があると、事務所に…』
「チッ…わかった……すぐ用意する」
通話を切り、陽愛の額にキスをして、ゆっくり左腕を抜いた。

シャワーを浴び用意して、もう一度陽愛の頬にキスをして、マンションを出た。


バン━━━━━!
本家に勢いよく、入っていく紫龍。
「紫龍、もっと優しく入ってこい!このアホが!」
「うるせーよ!じじぃ。
なんだよ!?」
「あ、取り込み中だった?お姫さんと」
「お前が言うと、キモいんだよ…。
で、何のようだ!早く話せ!俺は早く陽愛のとこに帰りたい!」

「白雪が帰って来てる」
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