偽りの夫婦〜狂愛〜

｢あ…えーと｣
陽愛は戸惑っていた。
紫龍が白雪を紹介したとゆうことは、それだけ白雪が信頼できるとゆうこと。
だからといって、触れてもいいのだろうか？
でも握手を求められて、断るのも失礼ではないのだろうか。

｢ダメだよ、白雪。
陽愛に触れるのは、許さないよ！｣
｢フフ…そっか｣
そう言って特に傷つくこともなく、手を引っ込めた白雪だった。

｢朝食の準備ができました｣
三好の声かけで、三人はテーブルについた。
｢いただきます！｣

｢フフ…｣
｢ん？陽愛、何？｣
｢一人増えただけで、楽しいね！食事｣
｢あぁ…そうだね…！
はい！陽愛、玉子焼き好きでしょ？ひとつあげる｣
｢ありがと。じゃあ…紫龍にはこれ！お肉｣

｢仲いいね！｣
頬杖をついた白雪が、微笑ましく見ている。
｢まぁね！｣
｢なんか、すみません…。
でも、こうゆう普通のことが幸せで！｣

｢え━━━？｣

【フフ…幸せ。
白雪とこうゆう普通のことができるの】

一瞬、陽愛と紅音が重なった━━━━━

白雪は思い出していた。
ずっと拘束していて、ノイローゼになった紅音。
おとなしくなり、抵抗しなくなったある日に、拘束を全て外し、二人でコーヒーを飲んだ日のことを。

そして無意識に、陽愛の頬に触れていた。
｢え━━━？｣
｢紅音…｣

パシッ━━━━
｢やめろ……白雪…。
言ったよな…！？陽愛に触れるのは許さないって…！
殺るぞ……｣
紫龍が白雪の手を思いっきり、弾いた。
黒く重く……圧迫されてく、ダイニング。