帝王と私~Darkness~
「そうだね…。
私も狂ってるけど…」
「俺達、やっぱ運命の相手同士だ」
「うん…」

また深いキスをした二人。

「弥生。
噛み痕!早くつけて?」
「うん…。
んっ━━━!んん……」
思いきって噛んだ、弥生。

「フフ…ついた!
俺は弥生のモ、ノ!
嬉しい………!」

何度も言うが、恐ろしく、狂った人だ。
噛まれて、嬉しいなんて………
そしてそんな貴将を愛し、放れられない弥生も恐ろしい。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あの…すみません」
「え?あ、私?」
「はい、ちょっと道を聞きたくて……」
仕事からの帰り道で、知らない男の人に声をかけられた弥生。

「私でわかるなら……」
「◯◯三丁目ってどこになるんですかね?」
「あー。ホテルの方だから、途中まで一緒に行きますか?」
「え?いいんですか?」
「はい、私の家からちょっと行ったとこだし、大丈夫ですよ?」
「助かります!よかったぁ。
知り合いもいないし、不安だったんです」
その男、貴将には遠く及ばないが綺麗な顔の男。
爽やかに、微笑んだ。

「い、いえ///…」
少しドキッとする、弥生。
「え?なんか変な事言いましたか?俺」
「いいえ!優しい笑顔だなと思って」
「え////?
そうですか?あんま言われたことないなぁ」
そうなんだ。
どう見ても爽やか系のイケメンって言われそうだけどな。
と不思議に思う弥生。

「━━━━━えっと…ここを左に行けば、三丁目です」
「わかりました。ありがとうございます!」
「いえ…じゃあ私はこれで……」

「あっ!もうひとつ大事なこと忘れてました!」
「は?」
「ちょっと、失礼……」
「え━━?うっ……」
弥生はその男にお腹を殴られ、倒れた。
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