研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜
3.春の日
朝の光が射し込む教授室。
教授と私は、テーブルを挟んで向き合うようにソファーに座っていた。
今日、私はまたテーマ相談をしに来た。
理仁は家で論文を修正中。
私の作成してきたテーマの概要に、教授が目を通す。
「ミジンコと化学物質の関係性ねー」
私はコクンと頷く。
概要から目を上げて私を見る。
「本当にやりたいの、これ」
そういう目が、既に私の心を読んでいるようだ。
「はい、化学物質の危険性とか影響とか・・・」
「本当にやりたい?」
また目が合った。
すべてを見透かしているような目だ。
私が全く、ミジンコと化学物質の関係性など興味がないことを。
口を閉じてしまった。
卒業した根本さんが途中までやってたテーマだから、そこに便乗しようとしただけだ。
「何をしたいのか、さっぱり自分でも分からないんです」
テーブルの上を眺めて本当の心を打ち明けた。
教授が穏やかな笑みになる。
「林くんみたいに、最初から『これがやりたい』って決まってる学生は稀だよ」
突然、理仁の名前が出てきて思わず動揺する。
教授と私は、テーブルを挟んで向き合うようにソファーに座っていた。
今日、私はまたテーマ相談をしに来た。
理仁は家で論文を修正中。
私の作成してきたテーマの概要に、教授が目を通す。
「ミジンコと化学物質の関係性ねー」
私はコクンと頷く。
概要から目を上げて私を見る。
「本当にやりたいの、これ」
そういう目が、既に私の心を読んでいるようだ。
「はい、化学物質の危険性とか影響とか・・・」
「本当にやりたい?」
また目が合った。
すべてを見透かしているような目だ。
私が全く、ミジンコと化学物質の関係性など興味がないことを。
口を閉じてしまった。
卒業した根本さんが途中までやってたテーマだから、そこに便乗しようとしただけだ。
「何をしたいのか、さっぱり自分でも分からないんです」
テーブルの上を眺めて本当の心を打ち明けた。
教授が穏やかな笑みになる。
「林くんみたいに、最初から『これがやりたい』って決まってる学生は稀だよ」
突然、理仁の名前が出てきて思わず動揺する。