研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜
見上げると、肌と瞳が透き通った美人が理仁の前に立っている。

なんだろう。

その女はチラッと私を見た。

「恋人さんですか」

私?

驚いて理仁を見る。
理仁も私を見た。

「いや、全然そういうんじゃないですけど」

理仁はそう答える。

仕方ないけど、ちゃんと言葉にして言われるとショックだ。

「私、大学2年の勝田エリーって言うんですけど、たまにキャンパス内で見かけて」

これはもしや・・・

理仁は口を閉じて固まってる。

「ずっと、かっこいいなと思ってて」

きた。
告白ってやつだ。

私が隣に座ってるというのに、全然気にしてないような自信。
たしかにこんなに美人なら誰がいようと堂々と言えるのかもしれない。

「もし良かったら連絡先教えてください」

勝田エリーは表情一つ崩すことなくまっすぐな目でそう言い切った。
まつ毛がキレイ。

っていうか、こんな美人も理仁を狙っていたとは。

ずっと固まっていた理仁の口がわずかに動く。

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