研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜
構内に戻ると、壁に貼られたミスコン出場者のポスターが目に入った。

そこに並ぶ一人の顔にハッとする。

「これってさっきの子じゃない?」
「ほんとだ」

ミスコン出場者に並ぶ透き通るような美しい顔。

国際教養学部 2年 勝田エリー。

「夢はアナウンサー。特技は英語、ドイツ語、乗馬」

私がプロフィール欄を音読すると、理仁が私を見てきた。

「恐ろしいんだけど」

ゲッソリした声を出す。

「ミジンコと女子アナ」

ぽつりと呟いてみる。

「話が合うわけないじゃん」
「話してみないと分からないよ」

私はそう言って背中を押した。
理仁は首を傾げながら、しばらくそのポスターを眺めていた。

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