研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜
14時ミスコンファイナルが中央ステージで始まった。
たくさんの学生が集まる中、理仁と私はかなり後ろの方で眺めることにした。

理仁とのデートのはずが、なんで他の女を眺めることになるの。

さりげなく、気付かれないように隣の理仁を見上げる。
その横顔はただまっすぐにステージ上を見つめている。

ファイナルに残っているのは8人。

勝田エリーは左から三番目に立っていた。

みんな綺麗だ。
今までちゃんと見てきたことがなかったけど、こんな才色兼備美人がうちの大学にいたんだ。

ただただ同じ女性として眩しい。

一人目の女の子が中央に立つ。
子どもの頃からやってきたバレエを披露する。

優雅に舞う彼女を見て、すごいなあ、と思う。
こんな人前で踊るなんて私にはできない。

小さな頃から、彼女たちは「キレイだね」「かわいいね」と褒められて育ってきたんだろうか。

なぜこんなにも自分に自信を持っているのだろう。

二人目の番になる。
歌を披露し始めた。

自己肯定感。
彼女たちを一言で表すのであれば、「美人」とかよりそれかもしれない。
内側から溢れみなぎる自信。

多分、グランプリに輝かなくても彼女たちは自信を失わないだろう。

優那も彼女たちに近い。

そこまで考えて、ハッとした。
努力だ。
彼女たちの自信は努力があるからだ。

じゃあなぜ、あんなに受験勉強も大学の勉強も、研究も、いつの日も必死にやってきた私にはそれがないのだろう。

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