研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜
「もしかして、ミジンコじゃなくて理仁くんが好きで残ったの?」

大正解。

優那が「そうでーす」と私の代わりに答える。

だから嫌なんだ、ドクターにいるってバレるのが。

「人生棒に振ったね」

高尾さんが唖然として零す。

痛い。

痛い痛い、分かってます。

私は干しぶどうを3粒一気に頬張る。

「そうだ、連絡先教えてよ」

高尾さんが話題を変えた。

「別に進路のことでも恋のことでも話せたらいいし」

スマートだなあと思う。

「俺、根本の連絡先消えちゃったしさ」と笑う。

連絡先を教え合った後、高尾さんの方が先に店を出た。

「絶対今の先輩の方がいいじゃん」

優那が興奮してる。

「いや、高尾さん、いつも彼女途切れなかったし」

そう言って落ち着かせるけど、優那は私をニヤニヤした目で見続けた。
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