研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜
理仁が私を見て頷く。

根本さんも、ガルシアさんも、李さんも、先頭を歩く理仁に続く。

前のチームと入れ替わるように、ステージ上に進む。

大きなスクリーンに映し出される我らがミジンコ!
透き通った体が巨大だ。
何倍なんだろう。

この日のために、頑張ってきたんだ。

たくさんのメモが書き込まれたボロボロの手元の資料を見る。

頑張れ、私。

今日まで、ずっとずっと練習してきた。
研究室の人たちの前で、何度も質疑応答の練習もした。

李さんとガルシアさんと、英語の発音について確認し合った。

笑顔を作る。

怖いけど、勇気を出して目の前に広がる暗い客席を見た。

理仁の深呼吸を感じる。

「It is a great honor to be able to speak to you today(本日、皆さんの前でお話しできて大変光栄です)」

落ち着いた理仁の言葉で私たちの発表が始まった。


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