研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜
D2

1.プロローグ

優那と高尾さんと、そして理仁と4人で夜ご飯。

報告とお礼を兼ねて私が誘った。

遅くなったけど京都のお土産を渡す。

「なんで高尾さんと会ってたの」

理仁が感情を乗せることなく、聞いてきた。

そう聞かれると、なんとなく気まずい。
後ろめたいことは何一つないのに。

「いや、偶然会って」

そう答えると、高尾さんが笑った。

「俺、ずっと相談に乗ってたの」

具体的なことは言わないでほしい。

私は高尾さんに目配せをする。

「環も男たらしてんじゃん」

理仁がいたずらっぽく言う。

「してないよ」

「そうだ」と優那が思い出したように言う。

「なんで準ミスと環をどっちともキープしてたのか、確認したかったの」

優那の発言で私と理仁の間に気まずい空気が流れる。

「キープした覚えないですよ、俺」

そう理仁が言った時、タイミングよく1杯目のビールが到着した。

ビールを配りながら、「まあ、まずは飲も」と高尾さんが言う。

「学会お疲れ様でした!」

高尾さんの声で乾杯した。

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