愛の像
なんて私は醜いんだろう。
右手で、自分の体をさする。至る所が青色や黄色になっている。
急いで洋服を着て自分の体を隠す。
白のゆるっとしたニットの上着もこころなしかくすんでみえる。
洗面所で顔を洗い、いつもより少し派手目にメイクをして自分に仮面をつける。
化粧で人はここまで変わる。
人間不信になってもおかしくないと思う。
適当にご飯を食べて音が鳴らないように静かに玄関の扉を開く。
家を出る時、正樹の方を振り返る。
正樹は気持ちよさそうに寝返りを打っている。
微笑ましく思いながらも、
「また、ね」