愛の像
仕事先に着くとスタッフ専用の裏口から入り、女性用更衣室に入る。
中から同じ歳くらいの女性が出てくる。
「あ、美穂ちゃんおはよう!今日も可愛いいね」
笑顔で言う彼女は林萌香。
歳は私の1つ下の21歳。
茶髪を後ろでふたつに結ぶ彼女は性格も明るくこんな私にも挨拶してくれる。
「お、おはようございます。萌香さん」
私は年下の彼女にお辞儀をする。
「だから敬語なんてやめてよ〜、美穂ちゃんの方が年上なんだから。そりゃ一応会社では私が一年先輩ですけど、美穂ちゃんは敬語使わないでよ〜」
いいからいいからと笑顔で言う彼女が眩しい。羨ましい。
ふんわりした口調と上品な雰囲気からどこかのお金持ちなのではないかとまで噂されている。
「わかりまし、、わかったよ萌香さん」
「うん!じゃあまた後でね」
嬉しそうに廊下を歩く彼女の後ろ姿を見届けた後更衣室に入る。
私は誰かがくる前に急いで着替えた。体を隠すようにできるだけ早く。着替え終わると更衣室を出た。
そして萌香さんの隣に座る。
「美穂ちゃんメイク変えた?てか濃くなった?」
席に座ってすぐ萌香さんが聞いてきた。ちょっとした変化に気づくなんて鋭い人だ。
気をつけないと。
「ちょっとイメチェンしようかなと思って、変かな?」
「全然いいと思う!!可愛いよ」