身を引くはずが、一途な御曹司はママと息子を溺愛して離さない
「美桜が冬真のために俺との結婚を前向きに考えようとしているのはよくわかったし、うれしいよ。でも、俺は美桜の心も欲しい」
「私の心?」
きょとんとした表情を浮かべると、「やっぱり意味わかってないだろお前」と柊一さんがなぜか呆れたような視線を私に向ける。
「俺はこの四年間、美桜だけを想い続けてきた。今も変わらずに愛してる。でも、今の美桜は俺をどう思ってる?」
「えっ……」
突然そう迫られて言葉に詰まる。
「俺は、美桜と愛し合って結婚して夫婦になりたい。今度こそお前を幸せにしたい」
柊一さんの手が私の頬をそっと包んだ。瞬間、思わず体がぴくっと跳ねてしまう。
とっさに視線を落としてしまうと、それと同時にうつむいてしまった顔を、頬に添えられている柊一さんの手によって上に向けられた。すると、至近距離で視線が絡み合う。
「今は冬真のために俺との結婚を考えてくれて構わない。でも、絶対に美桜の心も落とすから。必ず俺をまた好きにさせてみせる。俺はもう二度とお前を手放す気はないとしっかり覚えとけよ」