愛することを忘れた彼の不器用な愛し方
俺は香苗に囚われている。
いや、囚われてなんかいない。
香苗は俺に何も残してくれなかったんだ。
あんなに、あんなに愛していたのに。
確かに俺のわがままで結婚したかもしれない。
だけど香苗も喜んでくれて。
幸せだと言ってくれて。
本当に香苗といるのが幸せで。
──私が死んでも前を向いて生きるんだよ。笑ってね。
香苗の最後の言葉。
何度も何度もよみがえる。
俺は前を向いているだろう?
ちゃんと生きているだろう?
笑っているだろう?
ちゃんと、香苗の言うとおりにしているじゃないか。それなのに、もうこれ以上俺から香苗を奪わないでくれ。香苗との繋がりが今度こそ何もなくなってしまうから。
それから俺はどう過ごしたかわからない。
虚無感に支配されて、心がどこかに行ってしまったみたいだ。
いや、囚われてなんかいない。
香苗は俺に何も残してくれなかったんだ。
あんなに、あんなに愛していたのに。
確かに俺のわがままで結婚したかもしれない。
だけど香苗も喜んでくれて。
幸せだと言ってくれて。
本当に香苗といるのが幸せで。
──私が死んでも前を向いて生きるんだよ。笑ってね。
香苗の最後の言葉。
何度も何度もよみがえる。
俺は前を向いているだろう?
ちゃんと生きているだろう?
笑っているだろう?
ちゃんと、香苗の言うとおりにしているじゃないか。それなのに、もうこれ以上俺から香苗を奪わないでくれ。香苗との繋がりが今度こそ何もなくなってしまうから。
それから俺はどう過ごしたかわからない。
虚無感に支配されて、心がどこかに行ってしまったみたいだ。