ひと夏の想い出 〜また貴方に会えたら〜
「という事なんだ」






にわかに信じられない話だった。
でも海里の真剣な表情や今までの事を振り返り
透けて見えたことやずっと浜辺にいた事。
浜辺から出ないと言った時の海里の様子。
それらを思うと少し納得出来る部分があった。





まさか幽霊だとは思わなかったけど
嘘を言ってるとも思わなかった。






もうすぐ線香花火が終わる。
海里との別れの時間が近づいてるんだ。






「どうして私にその事を話してくれたの?」





「凪紗には言いたかったんだ。 信じてくれると思ったから」





「私は海里の話信じるよ」





「ありがとう。 凪紗の事好きになってよかった」




優しく微笑みながら言ってくれるから
私も気持ちを伝えなきゃ。
そう思うのに意気地無しの私は声が喉につかえて 「好き」の一言がなかなか出てこない。
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