ひと夏の想い出 〜また貴方に会えたら〜
するとヒューっと風が吹き





「凪紗。 ありがとう。 大好きだよ……」




確かに聞こえた海里の声。
バッと顔をあげて周りを見当たしても海里の姿はない。
あれが海里との最後だったんだ。





「海里……。 私も海里が好きだよ……。 大好きだよ」





浜辺に座り込んだまま暫く動けなかった私は
いつも海里としていたように海を眺めた。






海里はいつも私の話を楽しそうに聞いてくれて
いっぱい一緒に遊んでくれて優しくて素敵な人だった。
この1ヶ月間一緒にいる海里は輝いていた。
そして最後は静かに消えた。





海里。貴方はまるで線香花火みたい。

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