ひと夏の想い出 〜また貴方に会えたら〜
あの日から1週間、私は毎日海里といろんな話をした。



海里は17歳で多分高校には行ってないんだと思う。
そして、自分の事をあんまり話さない事。
笑った時に顔がクシャってなる事。
私の話をちゃんと聞いてくれる事。
穏やかで自分の高校にはいないような大人な感じの人。




いろんな海里を知れたような気がするけど
海里自身の事はあんまり知れてない。
聞こうかなとも思ったけど、困った顔をするから
私も聞かないようにしてる。




そして今日も海里のとこに行こうとすると
おばあちゃんに話しかけられた。



「なぎちゃん。 毎日浜辺に行って何してるの?」




「海里って名前の男の子と友達になったの。」




「海里? ここら辺にそんな子いたかしら?」




「え? おばあちゃんが知らないだけじゃない?」




分からないけど背中にツーって汗が流れるのを感じた。
だって毎日会って話してるんだよ?
ここにずっと住んでるおばあちゃんが知らないなんて事あるのかな?




変な不安を感じたけどなかった事にして普通にした。




「おばあちゃんやだなぁ。 知らないだけじゃない?」



「そうなのかしら?」




私は上手く笑えてただろうか。
早く海里に会いたくなった。




「とりあえずもう行くね?」




おばあちゃんの返事も聞かないまま走って浜辺に
向かった。
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