教師×教師？！

入学式から1週間。
いまだに俺は、紬先生に無視られている。
「ったくよ〜〜もお〜...。」
「そんなことで立ってないで下さい。邪魔です。」
「すまん、すま...。つ、紬先生！！」
紬先生は俺をゴミを見るような目で見てきた。相変わらず怖いな、この人は。

「いや、本当そんなとこで立ってれると邪魔にしかならないです。もっと周り見てください。」
そういい、紬先生は、もっていたファイルを自分の机の上にバンっと置いた。そして、書類を書き始めた。

そして、紬先生を見ていると紬先生の手が止まった。あまり、書類で何書けばいいか分からないところあったと言うことか！
「紬先生〜？もしかして、何書けばいいか分からないとこありました？なら、俺が教えてあげますよ？」
「良いです。雅史先生に聞くので。雅ちゃん〜！」
そう叫ぶと、雅史が紬先生に寄ってきた。職員室には俺と紬先生と雅史しかいないのに、そんな大胆に紬先生が雅史をあだ名で呼ぶなんて。

「つ、紬？どうした？」
「あの、ここ...何書けば良いか分からなくて」
雅史は紬先生のことを呼び捨てにして呼んでいた。あきらかに2人の距離は、近かった。まさか、2人は本当に...。

「どれどれ？ふーん...そうだな、ここは空欄にしといて良いと思うよ。」
「ありがとう、雅ちゃん。」
「どういたしまして。」

互いに頬が赤かった。ちくしょう、こんな幸せそうな顔しやがって。...雅史より俺の方が紬先生を幸せにできると言うのに。俺は一体何を見せられてるのやら。

どうにかして、紬先生を俺に振り向かせたい。